僕は映画狂、というより、映画を語りたい今日

もしかすると、映画そのものよりも映画館の暗闇のほうが好きかもしれない。

2015-09-01から1ヶ月間の記事一覧

【ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー】スペースオペラの最高峰に名乗りをあげよ。【感想】

涙が出るほど愛おしいスペースオペラ。SF世界の最先端ぶりと、登場人物のどんくささのギャップを燃料にして、飛び切りの突進劇を披露してくれる。銀河を守るのは、顔色のバリエーション豊かな宇宙人3人と、アライグマが一匹、そして1株の植物。彼らが倒…

【鏡】 ひたすら眠い傑作は存在するか? タルコフスキーだけがそれを成し遂げる。【感想】

意味不明すぎて、鼻血でも出しながらでないと、退屈すぎて寝てしまうかもしれない。タルコフスキーの自伝的映画だと事後的に知ってみたところで、事情は変わらない。何度も再生を止めて、巻き戻してそれぞれのシーンを見直した。どの時間軸なのか、現実か、…

【アントマン】 アントマンで涙を流す唯一の理由 【感想】

「大きけりゃ強く、小さけりゃ弱い」という「『ジャイアン‐のび太』パラダイム」とも呼ぶべき常識を覆さんと登場したアントマンだが、意外も意外、その実力は、“じゃいアント”なのだ(いいかね、ひとたび思いついたら、必ず使う。たとえ血を流すことになって…

【Life! ライフ】 世界を知ろう、互いを知ろう、ってうるせーよ。【感想】

「書を捨てて街に出よう」と寺山修司は呼びかけたが、『Life!ライフ』はさらに広げて、「世界に出よ、人々を知ろう!」と呼びかける。全国の引き籠り傾向のある諸君、こんなところで腐っている場合ではないぞ。さあ、扉を開けて、世界を知ろう。しかし、そ…

【最強のふたり】これが満たされれば、人生は幸せ確定ですね。【感想】

こういう友人を一人でも持ったら、人生は幸せ確定だろう。片方は首から下が全く動かないお金持ちの白人老人、もう片方は健康そのものだが、フランス階級社会にあって被差別階級である黒人の青年。ハンディキャップをフックにして出会った二人は、ジグゾーパ…

【GODZILLA ゴジラ】ほら、あそこに畏敬そのものが歩いてます。【感想】

GODZILLAはゴジラなのか。1998年にニューヨークの街中をバタバタと走り回っていたGODZILLAは間違いなく大トカゲの類で、ジャン・レノが何と言おうが、決してゴジラではなかった。しかし、2014年にサンフランシスコで大暴れしたGODZILLAは、間違いなくあのゴ…

【ミニオンズ】 えっ、あの言葉って、ちゃんと意味があったの?【ネット感想見聞録】

驚いた。ミニオンズが話す言葉には、思っていた以上の法則があるらしい。目ぼしい単語以外は、わりに適当に喋っているのかと思っていた。ミニオンズよ、すまない、君たちを侮っていた。 www.eiganohimitsu.com ちなみに、こちらでは楽曲を紹介して下さってい…

【ミニオンズ公開中】 笑うハナタレ小僧「我々こそが路頭に迷ったミニオンズなのだ!」【感想】

アホすぎて、馬鹿に深遠なワンダーランド! 僕は人生をひとつに賭けるとしたら、こんなアホ馬鹿ワンダーランドの建立にこそ、人生を賭けたい。凶悪な悪者に仕えなければ、生きる目的を見いだせないミニオンズは、この上なく可愛くキュートだが、常に自らの手…

【ルーシー】 史上最強クラスの超人、ルーシー。そして神へ!

史上最強クラスの超人、ルーシー。そしてそれを可能にした、リュック・ベッソン監督の「やりたいことをやり放題」主義。素晴らしい! 科学的根拠は皆無、物語は一貫しているかどうかも判断がつかないが、そんなことどうでもいい。『レオン』の渋さと、『2001…

【ダイナソー・プロジェクト】 POVよ、恐竜ワールドで羽ばたけ!

この映画は、劣化版ジュラシック・パークである。ほとんど全ての点で、ジュラシック・パークに劣る。しかし、だからどうしたというのだ。恐竜ファンが、恐竜が大地を闊歩する絵を見て興奮しなければ、いったい誰が興奮するというのだろうか。それに、本作は…

【ロボコップ(リメイク版)】 機械>人間=ポンコツ機械

マーフィの身体は、頭部と肺しか残っていない。風船のようにペコペコ膨らんでは縮む肺の上に、マネキンのように台に乗せられた頭部。それが彼の全てだ。マーフィは、身体のほとんどが機械になった自分を見て、「そんな…ほとんど残っていない!」と絶叫する。…

【ジャックと天空の巨人】 巨人の不気味と、ワクワクと。【感想】

巨人が大地を闊歩するだけで、ワクワクするじゃないか。恐怖そのものである、『進撃の巨人』の巨人もいいし、溶けかけていたナウシカの巨神兵もいい。そして、本作の『天空の巨人』も獣くさくて、とてもいい。巨人と闘うのは、人間同士で闘うのと全然違う。…

【グランド・イリュージョン】カッコいい、が正義です。【感想】

ヒーロー度120%増量中。万能で、義賊で、マジシャンというヒーロー要素を過剰に詰め込んだ上に、これでもかとミス・ディレクション(と彼らは言っている)を盛り込んだ本作は、その裏で、ただ自分の仕事を真面目にこなしただけの人物が悪者として逮捕された…

【大脱出】上腕二頭筋のレジェンド、夢の共演【感想】

20世紀を代表する上腕二頭筋、シルヴェスター・スタローンとアーノルド・シュワルツェネッガー。彼ら2人が主演する本作に対して、「もし2人じゃなかったらとしたら面白かったか」と問うことは確かに必然だ。しかし、答えは非常に難しい。「トマトが、トマト…

【ウルフ・オブ・ウォールストリート】貧乏人よ、覚悟せよ。【感想】

ひたすら嗤った。この物語には、たった一つの要素しかない。酒、ドラッグ、女、車にクルーザー。つまり、宇宙大の消費者的自由。世界よ、これが成金趣味だ! 相対する貧乏人諸君よ。愛だの恋だの家族だの、って、それはどれほどの覚悟があってのことだい? …

映画『リアル・スティール』 批判コメントが面白い 【ネット感想見聞録】

※【ネット感想見聞録】とは⇒ GOOGLE先生に頼んで、ネット上の感想を片っ端から読んで、120%主観でまとめた記事。人それぞれが違う感想を抱くのが面白すぎる! 全体的な印象としては、賞賛よりも批判の方が多かった。…というか、より正確に言うと、長い感想…

映画『リアル・スティール』 たった1つの設定が、ロボットに生命を吹き込んだ。【感想その2】

◆影の主人公「シャドー機能」 主人公たちが駆るロボットATOMに、「シャドー機能」がついているという設定は、実に見事だったと思う。「シャドー機能」は、ATOMに生命を吹き込み、物語に生気をもたらした。設定自体は平凡極まりないのに、それが物語…

映画『リアル・スティール』 興奮と感動、ロボット・ボクシングという新ジャンルに望むものが全てある。

ショーン・レヴィ監督 2011年 アメリカ ◆王道ボクシング映画! 素晴らしい! 王道ボクシング映画、あるいは、ストライクど真ん中の父子映画。いやはや、王道とは良いものである。一度は子を捨てた父親が、子のために再びロボット・ボクシングで闘う、という…

映画『テッド2』 観る前に知っておけば良かった、と少し思ったこと、等【ネット感想見聞録】

様ざまなパロディネタがあった『テッド2』。知っておくと、より観るのが楽しいかもしれません。 僕も幾つかは「あのパロディだ」と分かったけれど、「きっとパロディなんだろうな」と思いつつ、元ネタが分からない場面も多々ありました。例えば、これを読ん…

映画『テッド2』 中年のヤク中テディベアが存在する理由と、「テッドに人権は要らない」

※注意 狂気度★★★ あの頃、私たちのテディベアは、まだ生きていなかった。唯一、想像の世界でのみ、彼らは動くことができた。私たちは、テディベアが動くだけで満足だった。喋り、母に甘え、父に叱られるテディベアを前にして、私たちは微笑みを浮かべる。素…

【現在公開中!】(ネタバレなし) 映画『テッド2』 撮る人もバカ、撮られる人もバカ、観る人もバカ。バカ万歳!

セス・マクファーレン監督 2015年 アメリカ ◆映画『テッド2』で学ぶ、役立たずの教訓 1.モフモフしましょう。 いかに行いが悪くても、それだけで愛らしくなります。 2.ぬいぐるみを愛するときは… それが中年になっても愛せるか、を考えてからにしましょ…

映画『惑星ソラリス』 眠たさと神秘性の間で

アンドレイ・タルコフスキー監督 1972年 旧ソ連 ◆『ソラリス』で学ぶ、役立たずの教訓 1.説明不足は、かろうじて説明過剰よりも良い。 しかし、説明不足も困りものである。 2.美貌は恐怖に変わることもある。 美女が理解不能な行動をすると、その表情が…