僕は映画狂、というより、映画を語りたい今日

もしかすると、映画そのものよりも映画館の暗闇のほうが好きかもしれない。

2016-09-01から1ヶ月間の記事一覧

【バディントン】「クマさん」であることの功徳【感想】

「クマさん」とは何なのだろうか、と映画「バディントン」を観ながら考えていた。「クマさん」と熊は違う。熊は自然界でシャケを掬っている猛獣で、「クマさん」とは想像上の生き物である。「クマさん」はシャケなんて魚臭いものは食べない。食べるのはハチ…

【オデッセイ】2億キロメートルの断絶、人とつながるということ【感想】

一言でいうと、火星版ロビンソン・クルーソーである。サバイバル劇を演じるのはマッド・デイモンで、彼は不慮の事故によって火星に取り残される。確かマッド・デイモンは映画『インターステラー』でも取り残されていた。よく取り残される男である。ここから…

【シン・ゴジラ】ゴジラさんが来たので、何かを壊して何かをはじめる。【感想】(劇場公開中)

もう僕は、シン・ゴジラになりたい。なってやりたい。現実ではなく虚構の方へ。弱者集合ではなく究極生物の方へ。嫉妬するほどのスペック。口からビーム、背中でビーム、シッポでビーム。僕はビールを今日もノーム。ヒールのフリして帰るホーム。 「このクニ…

【アノマリサ】愛が失われる瞬間を描いたストップモーション・アニメ【感想】

奇妙なストップモーション・アニメ。すべて人形を動かして1コマ1コマが撮影されている。そんな膨大な労力(撮影には2年間かかったらしい)を、くたびれた傲慢な中年の日常を描くのに使っている。ここですでに疑問ははじまっている。どうして彼らは人形で…