【公開中!】映画『ジュラシック・ワールド』 大地を闊歩する恐竜。ロマンは止まらない。
◆恐竜に食われないための心得
1.品行方正を心掛けよ。
恐竜は悪い奴から食っていきます。
2.恐竜を説得してみよう。
案外、聞いてくれたりします。
3.自分で倒そうと思わない。
毒をもって毒を制せ。強い奴にはより強い奴と闘わせればよい。
◆興奮したら負け? 嗚呼、負けました。
こんな映画で興奮してやるか、と思うが、残念ながら興奮は止まらない。敵=製作者は興奮神経を直接いじってくる。一方では冷静な視点は失っておらず、なんだか物語にアラが多いなぁと思ったり、また同じパターンかと毒づいていたりするのだが、それとは全く別に、草食恐竜が大地を闊歩するシーンに遥かなるロマンを感じ、凶暴なインドミナス・レックスに襲われては主人公とともに恐怖する。自分が二つの部分に分かれたかのようだった。それも仕方がない。恐竜を愛してしまったあの日から(覚えてないけど)、もう勝負は決していたのだ。負け。完敗である。そう、結果から言うと、大興奮の125分を過ごした。
行きたいな、ジュラシック・ワールド。インドミナス・レックスに人類が皆殺しにされる後半よりも、平和に恐竜パークを楽しむ前半が、興奮の絶頂だった。とくにモサ・サウルスを、ホオジロザメを餌に“釣る”シーンなんか、何回観ても飽きないだろう。モサ・サウルスがデカいんだよー。凄まじくデカいんだよー。デカさこそ、正義である。実際にこんなショーが存在するのであれば、大枚をはたいても観に行く。絶対に観に行く。なるほど、こういう業の深い人間がいるから、再びジュラシック・ワールドみたいなテーマパークができるのである。
◆人類と恐竜のコミュニケーション
結局のところ、全く懲りない人類は、20年前と同じ大惨事を起こすわけで、その辺りの顛末は、前シリーズのジュラシック・パークと何も変わらないのだが、唯一ちがうのは、恐竜と人間の間に、ある種のコミュニケーションが成立するとされていることだ。その結果、一時的にせよ、人類側につく恐竜が登場する。本作ではこのコミュニケーションが事態の収束の決定打になるわけではないが、もしもこの路線が次回作につながるのであれば、今シリーズは、前シリーズとはかなり毛色の違ったものになるかもしれない。例えば、恐竜を手段としてしか扱わない人間のグループと、恐竜とコミュニケーションを取っていく人間のグループとの対立を基本的な構図として、結局はどちらのチームも、恐竜の狩猟本能の前に敗北しました、という物語とか。実際に、今回の登場人物の中でも、恐竜の軍事利用を考える者がいた。軍の管理下にあった天才ティラノサウルスが、人間の管理をすり抜けて、故郷の島に帰ろうとする物語を期待したい。
映画『ジュラシック・ワールド』60秒最新映像 - YouTube