【スターウォーズ祭り開催中】記事まとめ② スターウォーズがスターウォーズになる前。
◆黒澤明の影響
スターウォーズを作ったジョージ・ルーカスが、黒澤明に影響を受けているという話はよく聞くのだが、その辺りを簡単に説明してくれた動画。
How are Samurai Films Responsible for Star Wars?!? - Film School'd
ジェダイは時代劇の「時代」から来ているという話も聞いたことがあって、ほんまかいなと思っていたのだが、この映像を信じると、本当らしい。鎧兜とダースベイダーのコスチュームが似ているとか、なるほど酷似している点がたくさんあるのだが、ひとつだけ「それは無理だろ」というのが、ヨーダとヨーダのモデル。これは厳しい(6分31秒付近)。ジョージ・ルーカスの想像力を賞賛すべきなのだろう。彼がカーレースに夢中になっていたというのも初めて知った。日本語ではこの記事で解説してくれている。
◆スターウォーズの芽! 最初のイラスト
下の記事に載っているイラストには感動した。アイディアの源泉と言うか、いずれ見たこともないような大樹に育つ木が、やっと芽を出した感じが伝わってくる。こういう手作業って、絶対楽しいよな。物作りでもっともワクワクする瞬間かもしれない。例えば、スターデストロイヤーの模型作りとか。不器用だから自分はできないけれど。
◆スターウォーズの生みの親? 神話学。
704夜『千の顔をもつ英雄』ジョセフ・キャンベル|松岡正剛の千夜千冊
こちらは上の2つとは毛色の違う、スターウォーズの源泉。ジョーズ・ルーカスはキャンベルの神話学に強い影響を受けた。どんな神話学か? キャンベルは世界中の神話を集めて分析し、それらが同じ構造を持つことを見抜いた。「千の顔を持つ英雄」というタイトルが示すとおり、英雄は、ドラゴンを倒したりリングを探したりと表面上は様々なことをしているが、実はやっていることは全部一緒ですよ、ということ。ルーカスは、この神話の構造を援用し、スターウォーズを作った・・・らしい。引用は上リンクのサイトから。
ルーカスが『スター・ウォーズ』に適用した世界の英雄伝説に共通している構造というのは、単純化すると次のような3段階になる。
(1)「セパレーション」(分離・旅立ち)→(2)「イニシエーション」(通過儀礼)→(3)「リターン」(帰還)。
大学生のときの話だが、それまで名前は知っていてもスルーしていたキャンベルに関心を持ったのは、大塚英志「物語論で読む村上春樹と宮崎駿」を読んだのがきっかけである。簡単に言うと、この本は村上春樹と宮崎駿の作品が、キャンベルが示したような「構造しかない」ものとして批判しているのだが、僕はここで批判されている「千と千尋」が好きで、大塚評を読んでもそれは大して変わらなかったので、「ではなぜ構造しかないのに面白いのか」を考えてみようと思った。ひょっとするとその答えは「僕が馬鹿だから」かもしれない。この本を忠実に読むと、そういう風になるような気がする。この辺りの話は、また別のエントリーで書く予定。
物語論で読む村上春樹と宮崎駿 ――構造しかない日本 (角川oneテーマ21)
- 作者: 大塚英志
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2009/07/10
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