インドはいつでも想像の斜め上を行く。そんな映画。(映画『ロボット』の感想)
分かっている。分かっているのだ。インドはいつだって、我々の想像の斜め上を行く。
走るバイクの上で「人間ピラミッド」、インド共和国記念日のパレード India marks Republic Day with camels and stunt-riders
2分26秒以降のバイク上の「人間ピラミッド」については、どう反応していいのか分からない。バイクの概念から全く違っているのではないか。この場合のバイクは、タンデムシート上で繰り広げられる恋模様とも関係ないし、「盗んだバイクで走り出す」ような青春とも無縁である。バイクとは何か。それは「その上でピラミッドを組むべき何か」であり、それ以上でもそれ以下でもない。
僕たちは自分たちが思っているよりも偏狭な地平で満足しているのではないか。前提を廃すれば、実は思いもよらぬ景色が広がっているのかもしれない。
それを映画上で知らしめてくれたのは、やはりインド映画の「ロボット」である。詳しい説明は不要だろう。いくつかの画像から醸し出される圧倒的な違和感を受けとめよ。嗚呼、発想の自由とは何なのだろうか。